松本清張氏の父が愛した日南町矢戸
山陰・鳥取県の奥山越えて、そのまた奥の「矢戸」の大地。何にも無いけど、人情と豊かな自然が自慢。土の力は抜群です。
「点と線」「眼の壁」「砂の器」など名作を世に出した日本を代表する推理小説家で社会派文学の巨匠、松本清張(1909年〜1992年)。
清張の父 峯太郎は、ここ鳥取県日南町矢戸の生まれで、自然薯屋おおえ事務所のすぐ向かいの小さな公園には松本清張の文学碑があります。
碑に刻まれた、
「幼き日 夜ごと父の手枕で聞きし その郷里矢戸 いまわが目の前に在り 松本清張」という文字に、郷里矢戸を慕い続けた父の面影と、父の代わりに矢戸へ訪れた松本清張の姿が目に浮かぶようです。
山陰・鳥取県の奥山越えて、そのまた奥の「矢戸」の大地。松本清張の父 峯太郎が見た大地。そして、松本清張が見た大地。時代は移り変われども、ここ矢戸の大地と人情は、さほども変わらず今に至っています。今もなお、日本の原風景ともいえる昔ながらの町並みと人々の営みがここにはあります。
「いちど来てごしない、いい所だけん。」
厳しい自然の中で
矢戸のある鳥取県日南町の自然は厳しく、南部は中国山地の背梁線である1,000m級の山々がそびえ、北部はなだらかな中山間地が広がります。
清流として名高い鳥取県3大河川のひとつ日野川の源流が間近にあり、河川のほとりに沿って豊かな農作地が広がります。自然薯屋おおえの畑は、この日野川のすぐほとりにあり、一日中、モーツアルトならぬ、日野川の清らかなせせらぎを聞きながら育っています。
昔から、厳しい自然の中で栄養価が高く美味しい作物が育つといいます。自然薯屋おおえのある鳥取県日南町矢戸の気候は、自然薯がおいしく育つ好条件を兼ね備えています。
厳しい冬、澄み渡る空気、湧き流れる清流、そして大らかで黙々と働く人々・・・。
山陰・鳥取県の中でも誰もがうらやむほど、美味いものが育って当然の土地柄なのです。
ただし、その代償として? 厳しい冬が容赦なく私たちを迎えてくれるのですが・・・。
※矢戸と松本清張のゆかりに興味のある方は、 清張の父・峯太郎が生まれた鳥取県日南町矢戸を描いた松本清張の自伝的小説「父系の指」(新潮文庫『或る「小倉日記」伝』)をご覧ください。